ふくしま市場公式アンバサダー企画 第四弾
選抜された福島牛の9割が「福粕花(ふくはっか)」に ──酒粕で育つ新ブランド牛誕生の裏側を発見!
福島県産品のおいしさの秘密。
その答えとなる“つくり手の努力”は、普段なかなか知ることができません。
「生産現場を見たい」「生産者さんの声を直接聞きたい」──
そんなふくしま市場公式アンバサダーの想いに応え、今回向かったのは福島県・天栄村。
酒粕を食べて育つ新ブランド牛「福粕花」を手がける 池田農場、
世界一の米と称されるお米「ゆうだい21」を育てる吉成農園を訪ねて来ました。
Q.クイズ
最も高い評価を受けそうな「福島牛」は3頭の内どれ?
震災後、“絶対に安全なお米”を証明してきた吉成さんの挑戦
天栄村で最高峰の米づくりに挑み続ける 吉成農園・吉成邦市さん。
10ヘクタール──東京ドーム約5個分の広大な田んぼを管理し、日々米づくりに向き合っています。
吉成さん:「震災のあと、お米の安全性について確認を求められる場面が多かったんです。」
その経験が、吉成さんが現在の“徹底した米づくり”を続けるきっかけになりました。土壌肥料学会・原子力研究機構・産総研と連携し、“放射性物質を移行させない土壌”の研究を継続。12時間に及ぶ厳しい検査で「検出せず」を積み重ねてきました。
さらに、震災当時には水路600か所に不織布を設置し、水に溶けるセシウムを除去する作業を続けたことも明かしてくださいました。
こうした努力の継続が、吉成さんの作るお米の“安全性”と“美味しさ”を支えています。
コンクールに勝ち続けるための挑戦は止まらない
吉成さん:「認知されるためには、やっぱりコンクールで金賞を取り続けることだよね。」
吉成さんが育てる「ゆうだい21」は、国内外最大のお米のコンクール「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で3年連続金賞を受賞。今年もノミネートされており、受賞すれば4年連続金賞という快挙が目前に迫っています。
そして来年から3年、「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」の開催地が福島県に決定。
吉成さん:「この3年間は本当に勝負です。」
吉成さんが、福島県でのコンクール開催を誘致した意味がうかがいしれました。吉成農園は福島県での米作りの認知と品質の高さを広めていく挑戦を続けています。
“漢方農法” “スマート農業”がつくる圧倒的な食味
吉成農園では、化学肥料や農薬に頼らない“無農薬の米づくり”に取り組んでいます。除草や防虫には※紙マルチを活用し、肥料には漢方薬の煎じ滓(かす)を使用。さらに、微生物の働きを促すため、ミネラル豊富な岩石を糖蜜で固めた、黒蜜のような天然素材を加えることで、土の力を最大限に引き出しています。
また、経験や勘だけに頼らない。品種ごとの栽培方法、味・香り・食感を記録し続ける──まるで研究所のようなデータ管理も、美味しさを支える柱です。
設備も一級品。
高性能コンバイン、GPS(RTK)搭載のトラクター、乾燥機、色彩選別機、精米時の温度を抑える空調設備…。
そして吉成さんは、少し照れながらこう話してくれました。
吉成さん:「僕は“お米の変態”と言われてます。毎年収穫したお米の品質データを全部取って、その年によって肥料も変える。“今年はこれとこれを組み合わせたらどうなるかな?”ってね。肥料の掛け合わせは無限大で、来年の構想がもう大変ですよ(笑)。」
吉成さん笑い混じりの言葉の裏には、その姿勢からは迷いのない情熱と揺るぎない探究心がありました。
※紙マルチ:雑草の発生を抑えたり、地温を保ったりする効果がある。再生紙を原料とした生分解性のシート。
※RTK:基地局と移動局の2点で同時に衛星信号を受信し、位置を相対的に補正することで、誤差を±2~3cm程度まで縮小する高精度測位技術
ササニシキとゆうだい21の食べ比べ
── “幻の米”に出会う、贅沢な体験
今回吉成さんが用意してくれたのは、農園を代表する2つのお米。
午前中に精米したばかりの米は白く輝き、炊き上がると香りが広がります。
● ゆうだい21/もちもちした粘り、強い甘み、弾力ある食感が特徴。
岡田さん:「“龍田米”って書いてあるんですが、これは…?」
吉成さん:「うちの“ゆうだい21”のブランド名です。阿武隈川を地図で結ぶと“龍”の形に見えて、天栄村はちょうど“龍の目”。そこから“龍田米”と名付けました。」
愛川さん:「おいしい炊き方を教えてくださいますか?」
吉成さん:「流れる水で5回すすぐのを5セット。夏は30分、冬は40〜50分浸水。一番おいしいのは“研いだまま炊飯釜ごと冷蔵庫で一晩置いて、翌朝早炊き”にするんです。これが本当に美味しいんですよ。ぜひ、試してみてください。」
● ササニシキ/すっきりとした軽さ、ほぐれ感、清涼感のある後味。天栄村で栽培しているのは吉成さんだけ。
ササニシキは“早生(わせ)系”で、いもち病に弱く倒れやすい、とても繊細な品種。でもこの“ほぐれ感”は唯一無二。ふわっと口の中でほどけます。 天栄村の気候と土壌で育つことで甘み・粘りがほどよく加わり、“良いとこ取り”の味わいになるそうです。「同じ品種でも、育てる場所によって味がまったく変わるんですよ。」と、吉成さんは続けて教えてくれました。
継続と挑戦。吉成さんの姿勢が“味”になる
日々続ける緻密なデータ管理と記録。そして、新しい米作りの可能性を探りながら、積極的に挑む姿勢。その積み重ねが、吉成さんの育てるお米の“美味しさ”を確かなものにしています。
吉成さん:「やっぱり“安心・安全で美味しいお米をつくり、みなさんに美味しいと言ってもらうこと”それが僕らの楽しみなんです。」
天栄村の自然と、そして生産者の米作りにかける想いの全てが一粒ひと粒に込められています。
今回の訪問で見えてきたのは、どちらにも共通して “美味しさの裏側にある、つくり手の努力”と、揺るぎないデータ分析にもとづく品質づくりがあるということでした。その根っこには、生産者が積み重ねてきた年月と、まっすぐな情熱があります。
池田農場では、酒粕を使った飼育試験を重ね、A5等級率の高さにつながる育て方を確立。日々の管理や、牛一頭一頭と向き合う姿勢が、“「福粕花」のやわらかな食感と甘い香り”を生み出していました。
吉成農園では、震災後の安全性を証明するための取り組みをはじめ、品種ごとのデータ管理、肥料調整、そして設備への投資を惜しまない姿勢が、「ゆうだい21」の美味しさ、そして数々の受賞につながっています。
現場を見て、アンバサダーのみなさんが口にした「想像以上に手間暇かけていることで生まれる美味しさなんですね。」という言葉は、まさに今回の企画の目的そのもの。
“つくり手の顔が見えること”で、福島の食の魅力をより深く伝えていきたい。
ふくしま市場は、これからも福島の食とつくり手の魅力を、アンバサダーのみなさんとともに届けてまいります。
おまけ
新白河駅の近くにある、肉の卸売店あづまやの直営カフェで、「福粕花と麓山高原豚の絶品ハンバーグ」を堪能し、今回の訪問ツアーを締めくくりました。
The SUN CAFE&GRILL
〒961-0856 福島県白河市新白河3丁目54-2
\SNSで投稿いただきました/
\ふくしま市場で販売中/
\今回ご協力いただいた皆さま/
代表取締役社長
生産事業部 次長
奥様
\参加アンバサダー紹介/
生産者の訪問を終えて…
